こんにちは。防災士として活動しながら、やんちゃ盛りの子供を育てる「防災士ママ」です。
皆さんは、防災対策と聞いて何を思い浮かべますか?水、食料、簡易トイレ、モバイルバッテリー……。もちろん、これらは命を守るために欠かせない「物理的な備蓄」です。しかし、実際に被災した際、それと同じくらい、あるいはそれ以上に重要になるのが**「心の備蓄」**です。
特に子供にとって、災害は日常を奪い、大きな不安を与える出来事です。「テレビがつかない」「暗い」「外で遊べない」――そんな極限状態の中で、子供たちのメンタルをどう支えるか。
今日は、電気が使えない状況でも子供の笑顔を取り戻せる**「折り紙」の魔力**と、静かに過ごせる遊びのアイデアについて、防災士ママの視点で詳しくお伝えします。
1. 災害時、子供の心に起きていること
災害が発生したとき、子供たちは大人以上に敏感に周囲の空気を感じ取っています。
- 五感の刺激: 地震の揺れ、警報の音、焦げたような匂い、停電の暗闇。
- 親の不安: 必死に情報を集めるパパやママの険しい表情。
これらは子供の脳に強いストレスを与えます。言葉でうまく表現できない子供は、赤ちゃん返りをしたり、夜泣きが増えたり、急に攻撃的になったりと、サインを出します。
防災士として強調したいのは、**「遊びは子供にとっての『仕事』であり『癒やし』である」**ということです。非常時に遊ぶなんて不謹慎、と思う必要はありません。むしろ、非常時だからこそ、日常に近い「遊び」の時間を作ることが、子供の心に「ここは安全なんだ」という安心感(安全基地)を取り戻させるのです。
2. なぜ「折り紙」が最強の防災グッズなのか?
私の非常用持ち出し袋には、必ず2パック以上の折り紙が入っています。なぜ折り紙が、数あるおもちゃの中で「防災最強」なのか。それには3つの理由があります。
① 圧倒的な「省スペース・低コスト」
避難バッグは軽さが命です。折り紙は薄くて軽く、隙間にスッと入ります。100円ショップで手に入るため、備蓄のハードルも低いのが魅力です。
② 指先を動かす「アートセラピー」効果
「手は露出した脳」と言われるほど、指先の動きは脳と直結しています。丁寧に角を合わせる、アイロンをかけるように折り目をつける。この集中する動作は、不安で高ぶった交感神経を鎮め、副交感神経を優位にするリラックス効果があります。
③ 道具がいらない、音がしない
ハサミやのりを使わなくても、折るだけで形になるのが折り紙の素晴らしさ。また、避難所では周囲への配慮から「静かに過ごすこと」が求められます。大きな音が出ない折り紙は、避難所マナーを守りつつ子供を退屈させない、まさに「マナー派おもちゃ」なのです。
3. 防災士ママおすすめ!レベル別・折り紙活用術
ここでは、状況に合わせた折り紙の楽しみ方をご紹介します。
【初級:安心感を育む「定番の生き物」】
まずは、子供がよく知っている「鶴」や「カエル」「パクパク(パックンチョ)」を作りましょう。
- ポイント: ママが折って見せるだけでなく、「次はどこを折るんだっけ?」と子供に主導権を渡してみてください。自分で何かを作り上げる体験は、無力感を感じやすい災害時に「自分にもできることがある」という自信に繋がります。
【中級:実用性バツグン!「使える折り紙」】
防災士らしい視点として、役に立つ折り紙も教えてあげましょう。
- コップ・小物入れ: 実際に飴を入れたり、避難所での細々としたものを整理したりできます。
- ゴミ箱: お菓子のゴミを捨てるなど、避難生活のルール作りに役立ちます。 「これ、実際に使えるね!」という発見は、子供の知的好奇心を刺激します。
【上級:孤独を癒やす「ごっこ遊び」】
避難生活が長引くと、お友達と遊べない寂しさが募ります。
- 指人形: 折り紙で動物の顔を折り、後ろに指を入れられるようにします。
- メンコ・手裏剣: 動きのあるおもちゃを作ることで、狭いスペースでも適度に体を動かすことができます。
4. 電気を使わない「光と影」のレクリエーション
夜、停電の中で過ごす時間は子供にとって一番の恐怖です。しかし、防災士ママはここを「特別な時間」に変える魔法を知っています。
影絵クイズ(シルエット・シアター)
懐中電灯(ランタン)を壁に向けて照らし、手を使って動物の影を作ります。
- 「これなーんだ?」とクイズを出すだけで、暗闇への恐怖がワクワク感に変わります。
リズム遊びと歌
目が見えない(暗い)ときは、耳と体を使います。
- しりとり: 道具も電気も不要な最強の暇つぶしです。
- 手遊び歌: 幸せなら手をたたこう、など。スキンシップを交えながら行うと、子供の脳内にオキシトシン(幸せホルモン)が分泌されます。
5. 【チェックリスト】ママが備えるべき「遊びの備蓄」
食料の備蓄と一緒に、**「遊びの防災ポーチ」**を作っておきましょう。
- 折り紙(1〜2パック): 柄付きやキラキラしたものが入っていると、子供のテンションが上がります。
- シール: 小さな子供は貼るだけで楽しい!折り紙にデコレーションもできます。
- 4色ボールペン: 黒だけでなく色があることで、お絵描きの幅が広がります。
- トランプまたはUNO: 家族全員で楽しめ、コミュニケーション不足を解消します。
- 小さなメモ帳: 破っておみくじにしたり、手紙を書いたりできます。
これらのセットを、ジップロックなどに入れて防水対策をしてから持ち出し袋へ。これだけで、被災時の子供の安心感は180度変わります。
6. おわりに:ママの笑顔が一番の「心のインフラ」
最後にお伝えしたいのは、どんなに立派なおもちゃよりも、**「ママが自分を見て、一緒に笑ってくれること」**が子供にとって最大の安心だということです。
災害時、私たちは「守らなきゃ」「何とかしなきゃ」と必死になり、ついつい怖い顔をしてしまいがちです。そんな時こそ、一枚の折り紙を手に取ってみてください。
「これ、どうやって折るんだっけ?」 「見て、上手にお花ができたよ!」
そんな会話が、凍りついた家族の空気を溶かしてくれます。遊びは決して「不謹慎」ではありません。それは、生き抜くための**「心のエネルギー補給」**なのです。
今日から、食料の賞味期限をチェックするついでに、お子さんの好きな折り紙を一枚、バッグに忍ばせてみませんか?その一枚が、いつかあなたの大切な家族を救う「魔法の道具」になるかもしれません。
防災士ママからのお願い: この記事が役に立ったと思ったら、ぜひ周りのママ友にもシェアしてください。「遊びの備え」を広めることで、一人でも多くの子供たちの笑顔を守りたい。それが私の願いです。

