「特別な物を買わなくていい」防災士ワーママが実践する、家にあるものだけで整う在宅避難の備え

防災グッズをそろえなきゃ、と思うだけで疲れてしまう夜、ありませんか…?
仕事から帰って、夕飯を作って、子どもをお風呂に入れて…
やっと座れたと思ったら
「防災リュック、まだ用意してない」
という不安がふと浮かぶ。今日はそんな私自身の経験から、特別な物を買い足さなくても今日から整えられる、在宅避難の備えについてお話しします。
防災士でありワーママである、という視点
防災士の資格を取ったのは、子どもが生まれてからでした。学ぶほどに実感したのは、教科書に書かれている「理想の備蓄」と、フルタイムで働きながら子育てをする毎日の間には、かなりの距離があるということです。三日分の水を家族分そろえるだけでも、置き場所に悩みますし、防災用品を定期的に点検する時間なんて、正直なかなか取れません。
だからこそ、このブログでは「完璧な防災」ではなく「続けられる防災」を大切にしています。特別な収納も、まとまった休日も、大きな出費もいらない。今の暮らしの中に、少しだけ視点を足すだけで整う備えを、一つずつ紹介していきます。
「備える」というと身構えてしまいますが、実際にやっていることは、いつもの買い物リストに一行足すことだったり、子どもとの遊びの中に少しだけ避難の話を混ぜることだったりします。特別なことをしなくていい、というのが私の一番伝えたいことです。
在宅避難の基本は「物」より「仕組み」
大きな地震が起きたとき、多くの場合まず検討されるのは避難所への移動ですが、住まいの安全が保たれているなら、住み慣れた自宅で過ごす在宅避難という選択肢があります。慣れた場所で過ごせることは、特に小さな子どもがいる家庭にとって、心の安定という意味でもとても大きな違いになります。
在宅避難を可能にするために必要なのは、豪華な防災グッズのセットではありません。必要なのは「いつもの暮らしの延長で、しばらく買い物に行けなくても困らない仕組み」です。この仕組みづくりこそが、防災士として一番お伝えしたいポイントです。
仕組みの三本柱
- 水と食料の循環:買い置きを減らすのではなく、使いながら増やしていく仕組み
- 情報とつながりの確保:電気が止まっても家族と連絡が取れる方法
- 気持ちの落ち着け方:不安なときほど頼れる、いつもの習慣
ローリングストックは「増やす」より「まわす」
ローリングストックという言葉を聞いたことがある方も多いと思います。普段食べているものを少し多めに買っておき、使った分だけ買い足しながら、常に一定量を家に置いておく方法です。特別な非常食を新たに用意するより、続けやすいという特徴があります。
- 冷凍うどん、パスタ、レトルトカレー、缶詰など、家族が普段から食べているものを思い浮かべる
- 次の買い物のときに、いつもよりそれぞれ1〜2個多く買う
- 使った分だけ、また次の買い物で買い足す。
たったのこれだけ。水についても同じ考え方で大丈夫です。1人1日あたり3リットルが目安とされていますが、いきなり家族分の3日分を用意しようとすると気持ちが重くなってしまいます。まずは2Lペットボトルを箱買いして、飲みながら補充する習慣をつくることから始めてみてください。
カセットコンロとガスボンベも、キャンプ用品やお鍋用として持っている家庭は多いはずです。特別な防災用品として買い直す必要はなく、今ある物を「これも備えの一部だ」と意識するだけで、心の余裕が変わってきます。
子どもと一緒にできる「防災ごっこ」
子どもに防災の話をするとき、真面目に説明しようとするとかえって不安を煽ってしまうことがあります。私が心がけているのは、遊びの延長として防災を体験してもらうことです。
- 停電ごっこ:夜、あえて電気を消してヘッドライトだけで過ごしてみる。「秘密基地みたい」とよろこぶ子も多いはず
- 非常食デー:月に一度、備蓄している非常食やレトルト食品だけで夕食を作ってみる日をつくる
- リュック探検:防災リュックの中身を子どもと一緒に開けて、何が入っているか確認する時間を持つ
こうした体験は、いざというときに子どもが「知っているもの」に囲まれているという安心感につながります。防災訓練という名前をつけずに、日常の遊びとして取り入れることが、忙しい家庭でも続けやすいコツです。
忙しい平日にできる「5分防災習慣」
働きながら子育てをしていると、防災のためにまとまった時間を確保することは正直難しいです。そこで私は、家事や日常の動作に防災を「プラスする」ことを意識しています。
- お風呂の水を抜く前に、断水時の生活用水として一晩ためておく
- スマートフォンを充電するついでに、モバイルバッテリーも満タンにしておく
- 玄関で靴を履くとき、底のしっかりした運動靴がすぐ履ける場所にあるか確認する
- 冷蔵庫の整理をするついでに、賞味期限が近い備蓄食品をチェックする
どれも新しく時間を作る必要はなく、今している行動に一つ意識を足すだけです。防災専用の時間を捻出できなくても、こうした積み重ねで備えは十分に整っていきます。
停電・断水になっても、にこにこでいるための工夫
実際に災害が起きたとき、一番揺らぐのは物資よりも気持ちだと感じています。特に子どもは、親の表情から不安を敏感に感じ取ります。だからこそ、備えの最後の仕上げは「親の心の余裕をどう保つか」だと思っています。
- 好きな香りのハンドクリームや、お気に入りのお茶など、心がほっとする物を備蓄の中に一つ紛れ込ませておく
- 電池式のランタンを「暗くて怖いもの」ではなく「キャンプみたいで楽しいもの」として普段から使っておく
- 子どもに「大丈夫だよ」と伝える前に、まず自分自身が深呼吸をする時間を一瞬だけつくる
完璧に備えられていなくても、いつもと同じように笑って過ごせる時間があれば、それだけで子どもにとっての安心材料になります。備えとは、物をそろえることであると同時に、家族の心を守る準備でもあるのです。
防災士として一番伝えたいのは、「これができていないから危ない」ではなく、「ここまでできていれば大丈夫」という安心の積み重ねです。今日紹介したことのうち、一つでも心に残ったものがあれば、それだけで今日の備えは十分に進んでいます。
まとめ:完璧を目指さない防災でいい
在宅避難のための備えは、特別な防災グッズを買いそろえることではなく、今ある暮らしの中に少しだけ意識を足していくことで整っていきます。ローリングストックで食事の仕組みを整え、子どもと防災ごっこで安心の土台をつくり、忙しい日常に5分だけ防災習慣を乗せる。そして何より、家族が笑って過ごせる時間を大切にすること。
ワーママという立場だからこそ見えてくる、無理のない防災の形を、これからもこのブログで少しずつ紹介していきます。今日も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。


